ロボトレースの公式コースを買ってreRo杯を開催した話

はじめに

 

この記事は マイクロマウス Advent Calendar 2023の19日目の記事です. 前日も私の記事でした. 内容は今年製作したロボトレーサの紹介でした. 誰かの役にたてば幸いです.

さて,昨日の記事を読んでいない人向けにもう一度自己紹介です. 私は千葉工業大学 reRo所属の下鳥です. 「i7」というあだ名もありますが(昨日の記事参照), 高校時代から続いている「アニキ」というあだ名もあります. ただ,マイクロマウス界隈にはすでに「アニキといえばあの人だ!」という方がいらっしゃるので 大会会場で私のことを「アニキ」呼びするのは避けてほしいと仲間にお願いしている裏話があります.

話を戻します.この記事の内容としては, ロボトレーサのコースを公式と同じところから買った話と, 買ったコースを使って大会を開催した話です. なかなかネット上にはない情報だと思うので,ここに記録を残しておこうと思います.

なぜコースを買おうと思った??

 

マイクロマウスの大会に来たことがある人なら, 1度はロボトレース競技で使われるコースを見たことがあるでしょうか. なかなかに大きいコースですし,結構ちゃんとした作りになっています. 例えば,下の画像は今年の中部地区大会のコースです.大きいですね. 大きくてしっかりしたものは大抵の場合,なかなかいい値段しますよね. なぜそんな高価なものを購入しようという奇行に走ったかを説明します.

理由は単純明快で欲しかった&買えそうだったからです. 我々は今まで自作のコースで調整をしていたのですが, 「手元に公式と同じコースがあったら調整が楽なのになぁ」という欲深き願望がありました. また,我々reRoは最近,みんなの頑張りがあってマイクロマウス・ロボトレース競技で 勢力を拡大しつつあります. そこで,この勢いで大人の方に買ってとおねだりしたら買えるんじゃね??と考えた次第です.

そして大人の方におねだりしたら「買ってもいいよ」とお許しをいただけたので 購入に踏み切ったわけです.

どうやって買ったか

 

どのようなフローで購入まで至ったかを順番に説明していきます.

業者の特定と見積もり
 

「買っていいと言われた」と書きましたが,もちろん最初に見積もりを取りました. 業者の方に「買いたいんですけど何円くらいですか?」と聞くわけですね. その見積もった値段で大人の方と交渉しました.

見積もりを取るためには業者を特定しなければいけません. そこで,大会を運営している公益財団法人ニューテクノロジー振興財団にメールで問い合わせました. 以下,問い合わせ内容です.

 

お世話になっております.
reRoの下鳥晴己です.

現在私達のチームは自前で本番同様のコースを用意したいと考えており,ロボトレース競技のコース板の購入を検討しているためご連絡致しました.

そこで,次の3点をお教えいただくことは可能でしょうか?

1. 競技者や支部の方にお聞きしたところ,建具屋さんに作ってもらったと聞いています.
具体的にどこの建具屋さんにどのように注文したか(表面仕上げの指定や許容できる段差の指定など)

2. コース板1枚あたりどのくらいの価格なのか?

3. コース表面のグリップの具合をなるべく本番同様にしたいため,どのような塗料を使って塗装をしているか

以上,ご多忙の中お手数をおかけしますが,お力添えのほどよろしくお願い致します.


問い合わせたところ,工芸大の鈴木先生に繋いでいただき,業者を教えていただくなど色々と面倒をみてくださいました.  本当にありがとうございました. 詳しく書いていいかわからないので具体的な業者名は控えますが,山形県の木工屋さんです. 具体的に知りたい方がいればご連絡ください. その後,鈴木先生から直接業者の方に繋いでいただき,見積もりをおねがいしました. 見積もり金額は2023年5月時点で,塗装済みコース板10枚&運送費でおよそ60万円でした. あくまでこの時期の金額なので,今後価格が変動する可能性もあります.

いざ購入&納品
 

見積もりをして購入できそうだとわかったので,いざ購入です. 注文書を書いて製作を依頼し,完成を待ちました. 納期は1ヶ月くらいでした.

納品はめちゃデカトラックで運ばれてきました. ドライバーの方と協力して運び入れました. でかい!きれい!すごい!

早速コースを設計して設置しました. コースはE藤さんにアドバイスを頂きながら設計しました. 本当にありがとうございました. (実はE藤さんはかなりの頻度でreRoに調整に来ていただいているほぼ準メンバーです) 以下の動画は製作中のタイムラプスです.たまにタイプラプスで遊んでいる人達がいるので探してみてください.

3日間くらいかけて完成!! 今年度はこのコースを使ってreRo軍は調整を行いました. なかなかに調子がいいコースになりました.

reRo杯を開催した話

 

無事コースを購入することができましたので,せっかく公式と同じコースがあるなら他の方をお招きして大会を開催した〜い! と考えるのは自然な話ですよね(たぶん).いろいろな人と交流する機会があれば技術力も上がっていきますからね.

ということで,大会を開催することになりました. 実をいうと,今までも身内と知り合いで内部大会のようなものは開催していました. しかし,今回は大々的に宣伝をして競技者を募る形にしました.

募集をするためにかっこいいホームページも作成しました. Notionというツールを使うと比較的かんたんにそれっぽいホームページを作ることができました. 実際のホームページは以下のリンクから確認できます.

ホームページを見てもらえばわかりますが,開催した競技は「ロボトレース」「マイクロマウス」「マイコンカーラリー」の3種目です. 実はreRoではマイコンカーラリー競技にも参加しているので,一緒に開催しました. エントリーもGoogle Formsを使ってちゃんと募集をしました. 30名以上の参加者が集まり,なかなかに盛況でした. さらにありがたいことに,スポンサーの方に賞品を提供していただきました!!頂いた賞品は下の写真のとおりです. 株式会社ロボテナ様,極東技術結社のE藤さん,ご提供ありがとうございました!!

大会の結果などはホームページに記載しているので,気になる方は確認してみてください. ↓の写真は各競技の優勝者の皆さんの集合写真です.ちゃんと賞状とトロフィーを用意しました. 独特なトロフィーですね.これはノムさんの3Dデータから作りました.

大会後は懇親会として,reRo内では恒例のピザパーティーを開催しました. ここで技術交流を盛んに行うことができました.

私は今年度で大学を卒業してしまうので,来年の運営には携わることはありませんが,おそらく来年も第2回が開催されることでしょう. みなさん,奮ってご参加ください.技術交流目的のみでの参加も歓迎です.

      

また,運営を手伝ってくれたreRoのみなさん,ありがとうございました.みんなのおかげで開催できました.

おわりに

 

ロボトレースの公式コースを購入した方法と,reRo杯を開催した話を紹介しました. ロボトレースのコースは常設しているので,ご連絡いただければいつでもロボットの調整をすることができます. また,マイクロマウスのコースとマイコンカーのコースもあるので,気軽にご連絡ください.

今年は私以外に2名のreRo軍がアドベントカレンダーを書いてくれました. 13日目の記事15日の記事がreRo軍の記事です. いずれもreRoの内情がよく分かるおもしろい記事となっているのでぜひ読んでみてください!

明日はエアプ回路レビュワー@Full "Stuck" Engineerさんの「電源について」です! エアプ回路レビュワーさんは回路つよつよ勢のイメージが私の中であるので,とても楽しみです! お楽しみに!!!

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