2019 ロボトレーサの紹介 [ _BIRD ]

概要

  私は2019年にマイクロマウス大会ロボトレース競技という大会に初参加しました。
初参加なので当然1からロボットをつくらなければなりません。そんな状況のなか、参考になる情報がないかをネットでいろいろ調べていました。すると大会経験者のベテランたちが多くの情報を公開してくれており、非常に助かりました。
このような経験から、新参者ではありますが誰かの役に立てばいいなという思いを込めて私が作ったロボットの情報を公開したいと思います。記事の最後の方でCADデータや回路図なども公開していますので何かの参考になればと思います。
また、初参加にもかかわらず調子にのって新規性抜群の要素を組み込んだロボットをつくることができましたので、自慢したいと思います。

機体紹介

  2019年のロボトレース競技に参加したロボットの紹介をします。
見た目
  全国大会に出場した時の機体の画像です。ロボット名は[_BIRD]です。(アンダーバード)って読みます。
コンセプト
  機体、回路、プログラムをすべて自分で作れる設計、かつ新規性のある面白いロボット。
特徴
  このロボットはセンサのみ左右に駆動するタイプ(通称センサステア)のロボトレーサです。このアクチュエータに自作のボイスコイルモータ(VCM)というアクチュエータを採用しています。これがこのロボット最大の特徴です。このVCMについては後述します。また、加速度より最高速度重視の設計です。
スペック
  基本的なスペックは次の表の通りです。すべて厳密に計測したわけではないのでおおよその値です。また、最高速度は理論値です。
 
L × W × H $\rm[mm]$ 152 × 153 × 23
重量 $\rm[g]$ 200
最高速度 $\rm[m/s]$ 9
最高加速度 $\rm[m/s^2]$ 10
ギア比 31 : 60
ギアモジュール 0.3
タイヤ径 $\rm[mm]$ 22
トレッド $\rm[mm]$ 126
ホイールベース $\rm[mm]$ 23.3
構成要素
  細かい構成要素は次の表のとおりです。
 
アクチュエータ 駆動輪:Maxon DCX 10L 4.5v
センサステア:自作VCM
バッテリ HYPERION LiPO 2S 120mAh
IMU ICM-20648
ラインセンサ IR LED:SIR19-21C/TR8
フォトトランジスタ:TEMT7100X01
エンコーダ モータ内蔵
分解能:512
ポテンショメータ RDC506002A
マイコン STM32F446RE
実際の動き
  実際に走行している動画です。全国大会で練習用として用意されていた2019年の学生大会時のコースです。
 

VCMについて

先ほども触れましたが、このロボットにはセンサの可動部に自作のボイスコイルモータ(VCM)を採用しています。そもそもVCMとは何かというと、例えばHDDのシーク動作に使われているようなモータの1種です。
VCMについては書くことがたくさんあるので、ここではなぜVCMを使ったか程度にとどめておきます。詳細はこちらの記事をお読みください。
なぜVCMを使うか
  理由は以下の通りです。
  • HDDのシーク動作に使われるくらいだから高速で正確な制御が期待できる
  • 応答性が良い
  • ダイレクトドライブだからギアとかによる損失がない
  • 新規性が抜群
  • かっこよさそう

大会結果

  2019年は合計3つの大会に参加しました。
東日本地区大会
  初マイクロマウス大会&初ロボトレースの超ド初心者が挑んだ初めての大会です。第1目標は完走して全国への切符を手に入れることです。
結果は3走とも無事完走できました。
 
タイム $\rm[ s ]$ 00:15:188
順位 たぶん半分より上
学生大会
  探索、2次走行を実装して挑戦。3走とも無事完走できました。
 
タイム $\rm[ s ]$ 00:13:289
順位 たぶん半分より上
全国大会
  探索、2次走行の方法を変更して挑んだ大会。結果は2, 3走目は完走できず満足いかない感じに・・・。
 
タイム $\rm[ s ]$ 00:27:712
順位 32

ロボットの設計データ

機体設計データ、回路設計データ、ソースコードをすべて公開します。冒頭でも述べましたが大会初参加の新参者ですのでどこまで役に立つかはわかりません。また、ソースコードは非常にごちゃごちゃとした可読性皆無のコードになってしまったので特に役立たないと思いますが一応公開します。
機体設計データ
  機体のCADデータと使用部品を公開します。
CAD
  CADデータはSTEPファイルです。ダウンロードして何かしらの3DのCADソフトで開いてください。
座標軸がおかしい気がしますが気にしないでください。
使用部品
  こちらに使用部品がすべてまとまっています。リンクが切れていたらごめんなさい。
シャーシは厚さ1.25[mm]のCFRPでその他の部品はほとんど3Dプリンターです。
回路設計データ
  以下の画像の回路図と使用部品を公開します。
      
回路図
  CADにはKiCadを使用しています。メインの基板は2層構造でFFC(フレキシブルフラットケーブル)で接続されています。
使用部品
  こちらに使用部品がすべてまとまっています。リンクが切れていたらごめんなさい。
ソースコード
  GitHubで公開してます。ただし多分役に立たない・・・。

まとめ

もてる情報はすべて公開したつもりです。誰かの役に立つでしょうか? 
公開し忘れた情報があったらまた更新するかもしれません。質問や指摘などがございましたら何かしらの形でご連絡いただければ回答したいと思います。
2020年もロボトレース競技を続けるつもりですので機会がありましたらお会いしましょう。読んでくれてありがとうございました。

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